針の木岳:②これぞ夏山の真骨頂!
前回の話→針の木岳:①北アルプスデビューは突然に
目標であるヒマラヤに最短で到達するため、日本アルプスに背を向けようとしていた私ですが、針の木へ行ってそんな考えは吹き飛びました。
心から、行って良かった。。。
登山者の皆さんがこぞって目指す日本アルプスには、それだけの理由がある。
今回は、針の木で何がそんなに私の心を震わせたのかお伝えします。
◉雪渓◉
初めて見た夏の雪。青い空と白い雪、そして緑のコントラストが美しい。雪渓を渡る風の心地よさと言ったら…この風に吹かれるためなら、水平移動にお金と時間をかける価値ありです。(前記事での発言撤回)
今まで、雪の坂道を登った経験といえばスキーの時だけ。それに比べると軽アイゼンははるかに歩きやすかった。刃が雪に刺さっている安定感が安心。
遠くから見ると真っ白な雪渓、実は表面に木の葉や実が一杯落ちているんですね。
雪渓を登りきって振り返ると、雪上を歩いて登ってくる人々。なんか写真で見たことあるこの光景…
そう、規模はだいぶ違うけどウェスタンクームに似てる!ウェスタンクームはエベレストのキャンプ1と2の間にある谷です。雪渓ではなんちゃってエベレスト気分を味わえるのです。
◉湧き水◉
師匠が川の水を飲んでいるのを見て、最初げっ!って思ったけど、恐る恐る飲んでみると美味しかった!その冷たさにびっくり。雪解け水だから水筒の外側は見る間に曇り、持って歩いてもしばらく冷たかったです。保冷水筒じゃないのに。
コース上に何か所か水場があり、場所により味が違いました。上の方のゴツゴツ岩場の水は金属的な味というかちょっと苦い感じで、写真の苔むした一番下の川の方がまろやか。流れるうちにろ過が進むのでしょうか。
◉標高◉
針の木岳は標高2821m。上の方に行くと独特の空気感があります。
実は私、十年以上前にも山登りにハマりそうになった時があり、そのきっかけがアンデスの4,600m峰インバブーラに登ったことでした。その時感じたのと同じ空気感を針の木でも感じたのです。
酸素が薄く、動かない足で一歩一歩踏みしめて得られる達成感。下りでは一歩ごとに体が軽くなり、下り切った時の爽快な疲労感。これらは標高の高い山でしか味わえないものです。そして健気に岩にはりつく高山植物。雷鳥の親子にも会えました。
私、やっぱり標高の高い山が好きなんだ。。。
針の木岳頂上から見た黒部ダム。雲がなかなか晴れなかったけど剱岳も。
日頃、筑波山と宝篋山しか行かない私が突然登った針の木岳。今まで筑波山だけでいいと思っていたけど北アルプスを知ってしまった今、筑波山だけでは物足りなくなってしまいました。ごめんよ、筑波山~。これからもずっと私のホームマウンテンに変わりはないけど、北アルプスにも心を奪われてしまったことを告白します。
ただ、夜の移動で殆ど寝ていないこともあり、実は疲労のあまり失ったものや壊れたものも少なからずありました(涙)
それについては③に続く→
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