針ノ木岳:③睡眠不足と疲労の代償
前回までの話→針の木岳:①北アルプスデビューは突然に
強行スケジュールで行った針ノ木岳。運転しなかったものの徹夜で行って、登山して下山して、帰ってくるまで寝る暇なし。殆ど寝ないで2,800mに挑むのは少し不安でした。睡眠不足だと高山病になりやすいし、滑って転ぶかも。。。
でも、エベレスト登頂の記録を読むと、「寝付けないまま午前2時頃最終キャンプを出発、登頂して戻るまで15時間ぶっ続けで行動」なんて記述がざらにあるのです。やるしかない。レベルは全然違うけどエベレスト登頂隊に思いを馳せ、気持ちを奮い立たせました。
そうして北アルプスならではの感動体験が出来たわけですが、その陰には睡眠不足と疲労が引き起こしたと思われる、いろいろなことがありました。危険だったこと、失ったり傷ついたもの…疲れてくるとやることが雑になったり判断力が鈍って、普段は起きないようなことが起こります(と言って慰めてくれた人あり)。あ、だからといって後悔は全くしていません!ですが、今後に活かすためにも記録しておきます。
◉危険だったこと◉
ロープ伝いに大きな岩を回り込むように横歩きしていた最後、何かが引っ掛かった反動で体が弾かれ、崖っぷちに立っていた師匠に激突。とっさに山側に押してくれたので大事に至らなかったけど、もし師匠がそこに居なかったら滑落していたかも・・(怖)
この時、ストックが1本変形しました。「こういうのは無理に直そうとすると折れるんですよ、ほら。」と師匠、その場で(やや得意げに?)ポキッと折ってしまった。ちょ、ちょっと!!・・・でも、命の恩人だから文句は言えません。折れたのが足じゃなくて良かったとしよう。
◉失ったもの、傷ついたもの◉
・サングラスのひも紛失(洗濯して外したまま、ザックのウェストポケットに入れてた)いつどこで落としたか不明。
・手袋片方紛失(下山後の温泉で、ズボンのポケットにまとめて入れてポケットのファスナー閉めた。帰宅してみたら片方しかなかった)
・サングラスは、紐を失ったことによる二次災害。無造作にポケットに入れていたら、レンズに大きな傷がついていた(涙)
こちら、修理を終えて戻ってきた姿です。
◉最後のパーキングエリアで私の失態◉
この日の行動時間12時間46分、消費カロリー3653kcal。数字上は日頃の筑波山のざっと3倍だけど、睡眠不足もあってそれ以上の疲労感でした。温泉に入ってご飯を食べたら、帰りの車はとにかく眠くて。でも運転者に悪いから寝ることも出来ず、動かない頭でぼんやり話題を探しながら必死で口を動かし、起きていました。PAでトイレに座るとそのまま眠りそうになり…あーだめだめ!と我に返るも身体が思うように動かず、またふーっと意識が遠のく・・・こんなバトルを繰り返し、やっとの思いでトイレから出たら、車を停めた場所がわからない!電話をかけても繋がらない!!(電源が入ってません、と)
さすがに眠気も覚め、焦って探し回りました。そんなに広くないPAだったのですぐ見つかったのですが、電話の電源は入っているし、私からの着信記録もないとのこと。よく見たら、私がかけていたのは連絡先が一つ下の別人だったという、笑うに笑えない話でした。
このように数多くのものを失い、ボロボロになって帰ってきたわけですが、それを差し引いても余りある達成感と幸福感。ほんとに行って良かったです。
翌日、あれだけ疲れて帰ってきたのに筋肉痛になっていないことに驚き、喜びました。そして目を閉じれば昨日見た景色がよみがえり、私の心はこんな考えで一杯になっていたのでした。
・また北アルプス行きたい!
・雪渓歩きたい!!
・どうやってまた行こうか
・いつでも3000mくらいの山にサッと行って、ちゃちゃっと歩けるようになりたい。
折れたトレッキングポールとサングラスの修理について、別記事に記します。
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