つくば発 山ある記

山登り初心者の雑記帳

山伏と歩く修験トレイル①【大人のトレイル歩き旅講座】

新型コロナの感染者急増を受けて「我慢の3連休」と言われていた週末、安藤百福センターの講座に申し込んでいました。茨城県の新規陽性者数も日々最多を更新していたので、参加はご遠慮くださいと言われる覚悟をしていたのですが、ぎりぎりで基準をクリア出来たようです。大人のトレイル歩き旅東京や神奈川にお住まいの方は来られなくなり、参加者は激減。百福センターに宿泊しましたが人が少ないから距離も取りやすく、感染対策がしっかり行われていたので安心感がありました。

 

2020年11月21日(土)

07:00  つくば発。ご近所のK幹事長ご夫妻と一緒にワイワイと、圏央道ー関越ー上信越道で小諸へ。横川PAでお弁当買ったはいいけどお昼にはまだ早く、佐久平ハイウェイオアシスに持ち込んだだるま弁当。遠出するとこういう楽しみがあってイイネ♪

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今回の講座は座学がないので百福センターではなく、小諸インター近くの商業施設駐車場で集合でした。そこから山伏の待つ大室神社へみんなで移動。

 

山伏ですよ!歌舞伎にも出てくるあの山伏が、現代にも存在しているんです!山で法螺貝の音を聞いた事はあるけど吹いてる人は見たことない。どんな人なんだろう。今日はどんな事するんだろう…若干の不安を覚えながら歩いていると、鳥居の前に立ちはだかる白装束。どどーん!

 

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今日と明日、お世話になるのは出羽三山で修行した羽黒山伏の浄真氏。至って普通に挨拶し、説明を受けました。修験道とは山に入って感じたことを考える哲学。頭ではなく体で感じることに全集中してください、と。

 

次に身支度。白装束は着ないまでも頭に「宝冠(ほうかん)」という布を巻き、「締」という飾りを首にかけます。締は結界となり、清めてくれるお守り。

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宝冠は1枚の長いサラシで、捻ったり挟んだりして頭に巻きます。不動明王の化身となって身を守ってくれるそうです。これ一つでめちゃくちゃ山伏っぽくなるんですねー(後で写真出てくる)。と言っても我々にわか山伏は山服にザック背負って宝冠という、かなりアヤシイいでたち。ちなみにフルバージョンの装束はこちらでご覧になれます。

www.dewasanzan.jp

 大室神社はこれから登る高峰神社の里宮です。この辺りは小諸発祥の地といわれ、8〜9世紀にはすでに栄えていたのだとか。丁度修験道が盛んになってきた頃なので、当時は大勢の山伏で賑わっていたのでしょう。

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今日は単なるレジャーの山ではなく、当時の修験者の足跡を辿ります。宝冠被ってお祈りしたら、神社からの湧き水を汲み、またお祈り。

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ここから昔の修験者は歩いて高峰山に向かうところですが、我々は車利用で登山口にアプローチします。高峰山はまだこんなに遠いんだもん。(真ん中) 

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車で40分、やって来ました、高峰山登山口。

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修行の山なので、いつもと違う事がいくつかありました。

1.喋ってはいけない

一つだけ発していい言葉があり、それは

「うけたもうー!」

 

名前を呼ばれては「うけたもうー!」

 

山伏「これより小休〜止!」

一同「うけたもうー!」

 

みたいな。めっちゃ楽しい〜!!

 

2.お立ち娘

グループの中に一人「お立ち娘」といって、出発を告げる役が割り当てられます。

 

山伏(螺貝)「ぶぉ〜 ぶぉ〜〜、ぶぉおお〜♪」

お立ち娘 「おたーぁちーーぃ!」

(一同、歩き始める)

 

この栄えあるお立ち娘の選出にはなんとも非民主的な経緯がありました。何の説明もなく「この中で我こそは一番若い思う女子、手を挙げよ」との問いに、それらしき人々が一向に手を挙げようとしないので挙げてみたら

 

山伏「お立ち娘を命ずる!」といきなり。

私 「うけたもうー!」としか言えない。笑

 

お立ち娘はグループで1番若い女性が勤めると決まっているそうですが思いっきり自己申告、言ったもん勝ち。笑 お陰で二日間ずっと師匠のすぐ後ろを歩かせて貰いました。

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3.かけ念仏

登り始めてある程度の斜度になると、かけ念仏を唱えながら歩きます。

山伏「さーんげ さんげ」←懺悔 のこと

一同「さーんげ さんげ」

山伏「ろっこんしょうじょう」←六根清浄

一同「ろっこんしょうじょう」

 

六根清浄とは、五感と心を清めること。罪を改め心を研ぎ澄まして何かを感じなさい、という事でしょうか。これを登りはじめの15分続けるのだとか。ともあれ、登りで大声を張り上げ続けるのは相当キツかったー。


山頂に着いたら雲一つない青空。まずは山頂神社でお祈りし、新型コロナウィルスの収束も願ってくださいました。

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高峰山 標高2,106m。3度目の登頂にしてやっと百Y山24座目達成です、宝冠被って。笑

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登山口に戻ると日が暮れ始め、夕焼けの中、富士山がきれいに見えました。

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安藤百福センターでの夜の様子は次の記事にて。

 

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